男装騎士~あなたの笑顔護ります~
確かにレオの部屋に運ばれるっていうのもおかしい話だけど。
それに、レオの姿がない。
まぁ、私の心配なんてするような人じゃないだろうけどさ。
「レオさまに、ユキの事がばれたらいけないから。治療中ははどうしてもね・・・」
「そ・・・か・・・」
ふと髪に触れると、それは私の黒い長い髪だった。
「ウィッグはちゃんとしまってあるよ」
「ありがとう・・・」
「レオさまは、側についているって言い張ってたけど、僕たちが無理言って追い出したんだ。・・・だから、もし平気だったら男の格好してもらってもいいかな?」
「え、レオが・・・?」
心配、してくれてるってこと?
レオが?
自分の命なんてどうでもいいって思ってるレオが、私の命を心配してるの?
「心配、していたよ。目の前で、自分を庇ってユキが倒れたんだから」
フランの言葉が、全く頭に入ってこない。
信じられなさすぎて。