男装騎士~あなたの笑顔護ります~
ノアの治癒能力でも傷を塞ぐくらいの応急処置しかできないらしく、運ばれた私は大掛かりな手術を受けたらしい。
魔物の爪が貫通した身体の中は、いたるところが損傷していた。
その術後の傷口がズキズキと痛む。
そのため、髪だけウィッグをかぶり、身体は布団をかけて隠すことにした。
レオを呼びに行ったノアがすぐに連れて戻ってくる。
「ユキ、レオさまをお連れしたぞ」
「・・・ああ」
男のモードに切り替える。
ゆっくりと開かれる扉。
その向こうに、思い詰めた表情のレオを見つけた。
「・・・レオ・・・」
なんでそんな顔してるのよ。
「・・・すまなかった」
口を開いたレオから出たのは、そんな謝罪の言葉だった。