男装騎士~あなたの笑顔護ります~
私は、スラムに用意された服に着替える。
それは、真っ赤なドレスだった。
「ちょっと、こんなドレス、私は・・・」
「王の命には従ってください」
スラムは相変わらず無表情で答える。
男としてしばらく過ごしてきたのに、急にこんなドレス着ても対応できないよ。
歩くこともうまくできない。
「あなたは・・・、ドレスを着て歩くことすらできないんですか」
「し、仕方ないでしょ!ドレスなんて着たことないんだから!」
「それで、王の妃が務まるんですか」
「き、妃!?」
サラリと言われた言葉に耳を疑う。
妃ってどういうこと!?
そんな事、聞いてない。
「王のそばにいるということは、そういう事でしょう」
「ちょっと待って、王ってもう結婚しているはずでしょう?」
だからレオが生まれたわけだし。
もしかして、愛人とかそういう感じ?
冗談じゃない!