男装騎士~あなたの笑顔護ります~
奪還
「ついて来い」
突然、スラムに言われた私は渋々立ち上がりついて行った。
向かった先には王様が待っていて私を見ると立ち上がる。
「行くぞ」
「行くって、どこに」
「いいから黙ってついて来い」
王さまは短くそう告げると歩き出す。
長い廊下を歩いていくその最中、廊下の向こうから歩いてくる人たちに気づいた。
遠くからでも、わかってしまう。
レオたちだ。
グレンやノア、フランもいる。
歩きづらいドレスを身に纏った私。
私は気づかれたくなくて、逃げ出したくて足が止まっていく。
「遅れずに歩きなさい」
それをスラムが指摘し厳しい口調で咎めた。
唇を噛みしめ歩き出す。