男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「勝手に、王の自室に入るとは、どういうつもりだ」
「すみません。呼んでも返事がなかったもので」
王は私の上からどけ、レオと向き直る。
自由になった体を私は丸め縮こまる。
どうしてレオが、ここに。
「用はなんだ。さっさと終わらせて出て行け」
「その娘はもともと私の騎士だった者。返していただきたい」
「なに?ばかげたことを言うな。お前はこやつを捨てたのであろう」
レオの言葉に、顔をあげレオを見つめる。
迎えに来たというの?
どうして。
自分の前に姿を現すなと言ったのはレオなのに。
私も、信じられなくて目を見張る。
「いいえ。この娘はもともと騎士ではございません。グレンとの契約でここにいるのです。グレンはその娘との契約を破棄してはいない」
「・・・ほぉ。よく考えた屁理屈だな」
「ですから、返していただく」
レオが私がいるベッドに近づき私の腕を掴むと強引に引っ張り連れて行こうとする。
私は態勢を崩しながらベッドから降りた。
「いいのか?」
そんな私に王が投げかける。