男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「あの約束は、なしということでいいのだな?」
私の背中に投げかけられた言葉。
私は足を止める。
歩き出していたレオが、止まった私に引き留められるように振り向いた。
「どうした」
怪訝そうに見つめるレオに、顔をあげれない。
「いいのだな?」
念を押すようにかけられた言葉。
私は、唇を噛みしめる。
レオを見る。
さっきは気づかなかったけど、袖から包帯がのぞいている。
やっぱり、怪我したんだ。
「レオ・・・、私」
「なんの約束をしたのかは知らんが、この娘は俺の側におく。お前のもとになど、戻すものか」
王に突き付ける言葉。
それは迷いがなくまっすぐと。
そして、レオは私の腕を掴み直すと、強引に引っ張っていく。