男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「そんな娘を側において、お前は守りきれるのか?また、殺すことになっても知らんぞ。あの時のようにな」
レオの背中に王が投げかけた言葉。
一瞬レオの手にグッと力が入る。
それでも、振り向くことなく突き進んでいく。
―人殺し、なのだからな
あの時の王の言葉がよぎる。
レオの部屋に連れてこられた私。
つないだままの手。
レオの手は、震えていた。
王にたてつくことは、レオにとっても恐ろしいことだったのかもしれない。
それなのに、私を助けてくれたんだ。
「レオ・・・どうして」
「・・・王と、なんの約束をしていた」
レオの声から苛立ちが伝わってくる。
私は、俯き言葉を探す。
なんと言ったらいいんだろう。
誤魔化せる気がしなかった。
なんとなく、レオはわかってるんじゃないか・・・そんな気がしたんだ。