男装騎士~あなたの笑顔護ります~
震える声は頼りなくて。
ポロポロと溢れる涙はかっこ悪くて。
「レオに、嫌われて・・・。でも、私、レオの事守るって決めたから・・・。側で守れないならって・・・」
「女なんかに守ってもらうほど、俺は落ちぶれていない!」
そう叫ぶと、レオは私の掴んでいた腕を引く。
すっぽりとレオの腕の中に納まる私の身体。
レオは強く私を抱き締める。
「レオ・・・っ」
「すまなかった・・・。女のお前に、ずっと守られてきたのは俺だったな・・・」
行き場のわからなかった自分の腕をそっとレオの背中に回す。
「これからは、俺がお前を守る」
「レオ・・・」
「もう、お前の手を汚させはしない」
溢れだした涙は、嬉しいから。
また、レオとこうして会えた。
私として、女の子のユキとしてレオに認めてもらえた。
ただ、ただ、それが幸せに思う。
それだけで十分なの。