男装騎士~あなたの笑顔護ります~
王さまが魔物を差し向けたっていうの?
確かに、レオを襲ってきた魔物の一つの原因だったのは王さまだけど。
「レオの公務の日を聞かれるようなところで話して、聞かせるのとはわけが違うのよ?」
確実に魔物に私を狙えと命令したってことになる。
王さまがそこまでするってレオは思ってるの?
「ユキが自分の元から逃げたことをよく思っていないはずだ。あいつは、自分の欲しいものをわがものにしないと気が済まない」
「でも、だからって・・・」
「そのためには手段は選ばない。それに、今回はユキ自身だけの意思で離れたわけじゃないからな」
レオは思いつめた表情をする。
父親の事をそんな風に話さなければいけないって、どんな気持ちなんだろう。
「俺が関わっている。俺に奪われたとなったら、面白くないだろう」
「そんな・・・。ひどい」
「そういう奴だ。あいつに期待するだけ無駄だ」
悲しすぎるよ。
レオがひねくれてしまった理由がわかる気がする。
そんな父親の背中を見て育ったら、そうなってしまうよね。