男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「・・・すまなかった」
こちらを見ようともせず、レオが口にしたのは謝罪の言葉だった。
私はレオの少し後ろで立ち止まった。
「女に手を上げるなんて・・・どうかしていた」
「そんな、私が悪かったから・・・」
手を上げるなんて。
そんな風に思ってない。
初めて、レオの瞳が私を捉えた。
弱々しく悲しみに揺れる瞳。
「レオ・・・」
「すまない・・・」
レオの手が私の腕を掴み引っ張る。
私は前かがみになってレオの腕に抱きしめられた。
レオの頭が私の肩にあって、サラサラの黒髪が頬を霞める。
私の背中に回されたレオの手が私を強く抱きしめた。