男装騎士~あなたの笑顔護ります~
第6章
護りたい
夢を見た。
幾度となく見てきた夢。
目の前で流れる鮮血。
自分の瞳と同じ色。
大切な人の温もりが消える瞬間。
向けられていた優しい笑顔が消える瞬間。
泣き叫ぶ自分の声と、自分に最期のその時まで伸ばされた手。
倒れている亡骸の顔に、彼女の顔が重なる。
突然現れ、自分の心の中に入り込んできたあの女。
突き放そうとしても、放せずいつまでもそばにいるあの女。
俺の事を護るのだと言った・・・・女。
なぜ、重なるのだ。