男装騎士~あなたの笑顔護ります~
なぜ、この女はいつも真っ直ぐに俺に向かってくるのだろう。
突き放しても、突き放しても、こうして俺に向かってくる。
あの時・・・。
ユキが、魔物に突き飛ばされた時・・・。
あの時の母上と重なった。
怖いと、思った。
なぜだ?
こいつは、母上ではないのに。
「レオ・・・?」
「・・・なんだ」
今にも泣きそうな顔のユキ。
なんとなく、見ていたくなくて目をそらした。
だから嫌なんだ、女なんて。
すぐ、泣くのだから・・・。
「泣くな」
「・・・っ、だって、ごめ・・・うぅっ」
俺が声をかけると一層ポロポロと大粒の涙を流す。
ふと、額に貼られたガーゼが目に留まった。