男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「怖かったんだ・・・」
本当は、誰かに聞いてほしいと。
この冷え切った心を。
「俺の存在は、誰かを傷付けることしかできないのではないかと」
抱きしめてほしいと――――――。
「うん」
ユキが、両手いっぱい広げ、俺の身体を包み込む。
温かい。
人は、こんなにも暖かいのだな・・・。
「大事なものを持つと・・・それを失うかもしれないと・・・母上のように・・・」
「うん・・・」
「もう、失いたくない。目の前で・・・自分のせいで誰かが死ぬのはもう嫌だ」
失うのが怖ければ、最初から持たなければいい。
大切なものも、愛しき者も。
なにも。
「レオ、・・・私は死なないよ。ずっと、レオの側にいるから」
ああ、温かい。
俺は、誰かにそう言ってほしかった・・・・・・・。