男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「明日、国民に対して決意表明を行うことになった」
会議から戻ったノアにそう告げられた。
決意表明・・・。
「国を守るための一大イベントだからな。そういうしきたりらしい」
「へえ・・・」
「まぁ、それが気に入らないのは王さまだよね」
ノアの説明に付け足すようにフランが肩を竦めて言った。
王さま、確かに気分がいいもんじゃないだろう。
レオがレッドアイを持つことを疎ましく思っていたんだから。
「一番上にいたい人だからね。これを成功させれば、王座も危ういから仕方ないけどね」
「え?そうなの?」
「そりゃあ、世界を救うってそれだけすごいことだからね。否応なしに王座を譲らなくちゃいけなくなるだろうね。それこそ国民が黙ってないだろうし」
それ程すごいことなんだ。
そんなすごいことを、成し得ようとしているんだ。
胸が騒いだ。
「今までは、王さまも、言っても余裕持ってたと思うぜ。レオはその気なんてなかったんだから。だから王さまの王の座も当分は安泰だって思ってた」
「でも、その気になったんだよね」
「悔しいだろうな。本来ならもっと長く君臨するはずだったのに、もしかしたらまんまと持っていかれるかもしれないんだから」