男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「これな―んだ」
男は調子のいい口調でそう言うと、その注射器をフラフラと揺らした。
私は恐ろしくなり体をよじり距離を取ろうとする。
腕を縛られている状況ではうまく動けず、私はすぐに捕まった。
「これはね、強力な毒。これ一本身体に流せばたちまちその命は奪われる」
「な―――――っ」
「恐ろしいでしょ」
男は妖しく笑うと、私を押さえつけその首筋に注射器を向けた。
私は必死に体をねじるけど男の力にはビクともしない。
チクッと首筋に痛みが走る。
「いやっ!!!」
「暴れると死が早まるだけだよ」
男の声に背筋が凍り動きを止めた。
男は抜いた注射器を見せると中身はまだ残っている。
「一時間たつごとに少しずつこれを注射していく。6時間後最後の注射を打てばお前は死ぬ」
「な、んで・・・こんなこと・・・」