男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「待っていろ、すぐ医者を呼んでくる」
レオがそう言って私の頭を撫でるとベッドから離れ部屋を出て行った。
あの時の事を思い出す。
毒で体がどんどん動かなくなっていく感覚。
死を、近くに感じていく感覚。
何度か危険な目に遭ったけど、あんな風にゆっくりと確実に死が近づいてくる感覚は初めてだった。
身体が震える。
息が、上がっていく。
「はっ・・・ぁっ・・・」
苦しい。
苦しい。
助けて―――――・・・っ。
「ユキ、戻った・・・ユキ!?」
息が上がり震えあがっている私を見つけたレオが慌てて駆け寄る。
苦しくてもがく私の手を取り強く握りしめてくれた。
「しっかりしろ、ユキ!」