男装騎士~あなたの笑顔護ります~



「レオさま!?」



魔物討伐の任を取りやめたことによる庶務を任されていたグレンたち3人が塔の前にいるレオを見つけ駆け寄った。
酷く傷ついているその様に、胸を痛めながら。




「・・・ああ、お前たち。任せきりですまなかったな」

「いえ。明日にでも、国民へ今回の結果の報告をお願いいたします」

「ああ」



グレンはこんな時に言い辛そうにそう言うと、書類をレオに手渡した。




「あの、レオさま。ユキは・・・」

「目を覚ました。今はまた眠っているが・・・」

「そうですか!よかった」



フランは安心したようにそう言うとノアと顔を合わせて笑った。
城に戻ってすぐフランたちは庶務にバタバタと忙しく、ユキの状態を全く知らない状況であった。

安堵したフランに言葉をつづけるのをためらわれながらレオは意を決して口を開いた。




「ユキの容体についてだが・・・。少し、時間を取れるか?」




レオの言葉に、一瞬で表情を硬くさせ、頷く一行。
一行は塔の中に入り、話をすることにした。




< 334 / 616 >

この作品をシェア

pagetop