男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「すまない、驚かせたな・・・。ユキが、笑っている気がしたんだ」
切なげにそう呟いたレオは寂しげに微笑む。
あ、またその表情――――――。
毒のせいで表情を動かせない。
笑いたくても笑えないのだとお医者様に言われた。
でも、そのせいでレオも皆もいつもそんな顔をする。
そして自分たちが無理して笑うんだ。
悲しみは、涙で伝わるのに・・・。
どうして喜びを伝えることができないんだろう。
「着がえて、外に行こう」
レオがベッドから衣装を取り、私に差し出す。
下半身が動かない私は着替えも手伝ってもらわないとできない。
メイドさんはいるけれど、レオは今は誰も信用できないと私の世話はすべて自分でしてくれている。
レオができないときはグレンやフランにノアが交代で私の世話をしてくれているのだ。
私は、レオに支えられ身体を起こすと、動く手で寝間着にしていたワンピースのボタンをはずしていく。
レオはなるべく見ないよう顔をそむけ私ができるのを待った。