男装騎士~あなたの笑顔護ります~
そこから私は、順調に回復していった。
足が動かせるようになり、少しずつ歩く練習を始め、補助ありで歩けるようになった。
イルム先生には、心の状態がよくなったことにより体の回復にも影響が出たんだろうと言われた。
レオは、相変わらず慌ただしくしている。
王との確執は、深まる一方みたい。
レオは、私の事件を王さまが手引きしたと思っているのだと、グレンが教えてくれた。
でも、その証拠もまた相変わらず見つかっていないのだ。
私はベッドに座り、窓の外を見ていた。
もう空は真っ暗夜空が輝いていた。
レオは、大広間の方で仮眠を取っている。
そろそろこのベッドを返したいのに、レオがそれを許してくれない。
せめて、レオもベッドで眠ってほしいのに。
そんな事を考えていると、窓の外に急に人影が飛び出してきた。
「え?」
室内の明かりに照らされたその人物は。
フードを目深にかぶった・・・。
あの時の、男の姿――――――。