男装騎士~あなたの笑顔護ります~
支えがなく歩くのは、まだふらついて危うい。
慎重に一歩一歩進みながら街を見渡す。
あまり今まで城下には来たことがないけれど、とても賑やかで明るい素敵な所に感じる。
そんな人たちが、いろんな想いに苦しんでるんだ。
皆も、苦しんでる。
どうしようもない憤りをぶつける人が欲しいのかも。
人ごみをよけるように歩いていく。
ふと、目の前を一人の人が横切った。
視界に、グリーンの水晶のペンダントが揺れた。
――――――ドクン
あのペンダントには見覚えがあった。
あの男の、・・・私を浚ったあの男が首に下げていた。
同じものはどこにでも売ってるのかもしれない。
でも、この胸騒ぎは・・・。
私はとっさに追いかけていた。