男装騎士~あなたの笑顔護ります~
さっきの人は人をすり抜け、路地裏に入っていく。
よろけながらも必死に追いかけ、見失わないようにする。
「ま・・・、待って・・・・」
思わず、そう声をかけるけど、声が届かないのかその人は振り向くことはなくいってしまいそうになる。
引き止めてどうするつもりなのか、自分でもわからない。
危険だって、本当なら思うのに必死だった。
ガッ
「きゃあっ」
いよいよ躓き思いっきりこけた。
路地裏で誰もいなくてよかった・・・。
恥ずかしすぎる大胆なコケをしてしまった。
身体を起こそうとして少し視線の先に靴先が見えた。
胸が、ドクンと鳴る。
追いかけるべきじゃなかったかも、とその時漸く恐怖を覚えた。
「いつまで這いつくばってんの」