男装騎士~あなたの笑顔護ります~



一人勘違いして追いかけて転んで怪我して迷惑かけて。
最低だ。
フランだって心配してるかも。


手当てしてもらったらすぐに帰ろう。




「足」



戻ってきたであろう男に急に声をかけられビクッと肩を揺らす。
男は気にせず私の足を持ち上げると足首に薬を塗っていく。




「これ、捻挫に効くから。次第に痛み引く」

「ありがとう・・・。詳しいんですね」

「・・・一応薬師だから。ただ詳しいだけだけど」




薬師。
そういう仕事もあるんだ。
薬剤師みたいな感じだよね。




「あの、あなたの名前は?」

「そんなの聞いてどうする?」

「助けてもらったので・・・」

「別に助けたわけじゃない」

「でも・・・」

「・・・カイ」

「カイさん・・・」





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