男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「妹さん?」
返ってきたカイに何気なくそう聞いた。
「・・・そうだけど」
カイはあまり答えたくなさそうにそう答えた。
聞かれたくないのかな?
「リリちゃんっていうんだね。可愛いね」
「5才になったばかり。身体が弱くて・・・」
「そうなの・・・。よくなるといいね」
「・・・もうすぐ、金が手に入るんだ。だからその金で薬を・・・・」
独り言のようにそう言った後、ハッとしたようにカイが私を見た。
その目はとても怯えたように見えた。
「どうしたの?」
「い、いや・・・」
「でも、その薬が手に入ったらリリちゃんはよくなるんだよね?」
「あ、ああ・・・」
「よかったね」
笑ってそう言うと、カイはさらに表情を固めた。