男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「フラン・・・」
「ごめん、なかなか捕まらなくて。遅くなったから・・・。よかった、見つかって」
私が場所を動いた事を責めたりしないで自分のせいにするフランに胸が痛い。
私の考えなしな行動が、すべてを起こしてしまってるんだ。
「あれ、その人は・・・?」
フランがカイに気付き視線を向けた。
心臓が、バクバクと音を立てる。
「・・・俺は」
カイが、意を決したような表情で声を上げた。
「私がこけたのを助けてくれて。手当をしてくれたの」
「え・・」
「あ、そうなんですか!?ありがとうございます!ユキ、大丈夫なの?」
驚いた表情のカイが私を見るけど、私はじっと顔をそらす。
フランが心配そうに足を覗き込む。
「いえ、俺は・・・」
「私疲れちゃった・・・。城に戻ろう」
「うん。そうだね。あの、本当にありがとうございました」