男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「そんなこと、お前には関係ないだろ!」
「でも!あの時の・・・、リリちゃんに対するカイの態度は・・・本当だった。ウソはなかったと思ったから」
「だから、騙されてるだけかもしれないだろ!なんで信じんだよ!」
だって消えない。
だって同じだったんだ。
「私が、レオ・・・王子の事を護りたいって思う気持ちと、カイがリリちゃんを護りたいって思ってる気持ちが・・・。わかるから。誰かを護りたいって思う気持ち」
「わかるなよ・・・。お前の気持ちと一緒にすんな!」
なんでそんなに苦しんでるの?
どうして、ここに来たの?
「なんで・・・?なんでカイがそんなに苦しそうなの?私、言わなかったんだから別にそれでよかったじゃん。なんでわざわざここに来たの?」
「・・・後悔なんてなかったんだよ。あんたがどうなろうが、恵まれた場所にいるあいつらがどうなろうが。いっそ全員くたばってしまえと思った。だから、引き受けた」
「カイ・・・」
「苦しめばいいと思った。いつだって、輝かしい場所にいて、高い場所から見下すようにして生きている王族が憎かった。だから・・・」
カイの表情が苦しげに歪む。
カイの瞳に映る王族の存在。
でも、それがすべてじゃないことを私は知ってる。