男装騎士~あなたの笑顔護ります~
その時、通信機が音を立て鳴り響いた。
そっと手をあげ確認すると、レオからの着信を知らせていた。
私は、ハッとして慌てて指輪を隠した。
「それ、通信機ってやつだろ。出ろよ」
「・・・っ」
「でて、侵入者だって言え。あの時の男が、また襲ってきたって」
「そんな、言えない・・・っ」
「いいから、言え!」
強い口調で怒鳴られ、ビクッと肩を揺らす。
溢れだした涙を拭い、指輪に唇を当てた。
「・・・もしもし」
―ユキ?まだ起きていたか?
「ん。起きてるよ・・・。レオは、まだ会議中?」
―ああ。でも、もうすぐ終わる。だからみんなでそっちに向かうから
涙を悟られないように受け応える。
でも、カイに言われたことを伝えることはできなかった。
きっと、知られればレオたちは否応なしにカイを捕まえるだろう。
もしかしたら、酷い仕打ちを・・・。
それはきっと私のためにで。
「っ」
その時、カイの手が私の首を締め上げた。
息がつまり苦しい。