男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「言え」
小さな声でそう言う。
私は首を横に振る。
だって、ダメ。
この状況でレオたちを呼んだら・・・。
ちゃんと話してからにしたい。
冷静に向かい合える時じゃないと・・・。
「なら、俺が言う」
「え・・・っ」
カイはそう言うと、私の腕を掴み指輪に口を寄せた。
私は必死に手をひこうとするけどビクともしない。
「お姫様の命が惜しければ、さっさと部屋に来るんだな」
低く重い声色でそう言うと突き飛ばすように手を放した。
―どういう事だ!?ユキ!おい!
私の耳には、レオの動揺した声が響く。
私は慌てて通信を切った。