男装騎士~あなたの笑顔護ります~



「それなのに・・・」




腕で涙を拭っても、止まってくれなくて。





「なんで、カイにも事情があったんじゃないかって・・・悩まなくちゃいけないの?」




息が上がって苦しくなって、ガクッと膝が折れる。
それを、受け止めてくれたのはカイだった。




「こんな風に、・・・助けたりなんてしないでよっ」




泣き叫ぶ声があまりにも小さくなって。
息苦しい。
体が熱い。

頭がガンガンと打ち付けられるよう・・・。




「お前、熱あがってんじゃねぇか・・・」

「え・・・」

「昼間も、微熱あっただろ」

「・・・なんで」




なんでそれをあんたが気づくのよ。
隠してたのに。






< 389 / 616 >

この作品をシェア

pagetop