男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「それなのに・・・」
腕で涙を拭っても、止まってくれなくて。
「なんで、カイにも事情があったんじゃないかって・・・悩まなくちゃいけないの?」
息が上がって苦しくなって、ガクッと膝が折れる。
それを、受け止めてくれたのはカイだった。
「こんな風に、・・・助けたりなんてしないでよっ」
泣き叫ぶ声があまりにも小さくなって。
息苦しい。
体が熱い。
頭がガンガンと打ち付けられるよう・・・。
「お前、熱あがってんじゃねぇか・・・」
「え・・・」
「昼間も、微熱あっただろ」
「・・・なんで」
なんでそれをあんたが気づくのよ。
隠してたのに。