男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「遠くにいる人と、会話ができるものってことでしょう?」
「そうそう。なんだ、知ってんじゃん」
「これと同じようなものを知っているだけ。これの使い方はわからないから教えてくれないか?」
指輪の真ん中にはグレイの石が埋め込まれている。
見れば、グレンの手にもノアやフランの手にも同じようなものが付けられていた。
石の色は同じだけど、指輪自体のデザインがそれぞれに違うみたいだ。
「使う時には、この石に自分の魂の情報を流し込まないといけないんだ」
「魂の情報?」
「この指輪はこの王族とそれに携わる者にしか使う事の出来ないものだから。誰にでも使えないように、使う権利がある者かを確かめる必要があるわけ」
フランが、まじまじと自分の指輪を眺めながら教えてくれる。
自分の魂の情報。
私の知っている電話とはとんでもなく使い勝手の違うものなんだ。
自分以外の人は、使うことはできない。
それも、王族とそれに携わる人しか。
それ以外の一般の人たちはどうしているんだろう。