男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「・・・とどめを刺しに。俺、仕事はきっちり済ませたいタイプなんで」
「なんで!!!」
カイの言葉に私が声を上げた。
嘘だ。
なんでそんな、罪を重くするようなことを言うの。
私を殺すつもりなんかなかったくせに。
自分から捕まりに来たくせに。
「敵に情けをかける気?バカだね、お姫様」
「黙れ、貴様。お前は後でゆっくり訊問してやる。塔の地下に幽閉しておけ」
「はっ」
レオが命令を下すと、フランとノアが両側を抑えカイを連れて行く。
「待って・・・・!」
私が叫んで引き止めると、少しだけ立ち止まったカイはチラリとこちらを向く。
「さっきのは、解熱剤だから安心しな。毒の最後のあがきで熱が出るんだ。よくなってる証拠。よかったな」
カイはそう言うと歩き出す。
引っ張られるんじゃなくて、自分から進んで幽閉されに行くみたいで。
胸が苦しくなった。