男装騎士~あなたの笑顔護ります~



「でてって!レオの顔見たくない!」




本当は逃げ出したいけど。
今の私じゃ走ってなんていけないし。


だから、布団を頭からかぶって縮こまった。





「・・・ユキ」

「触らないで!」




布団越しにレオが振れたのがわかると、私はそう言って叫んだ。
しばらくすると、レオの気配が消える。


本当に出て行ったみたいだ。



ホッと息を吐いた瞬間ポロポロと溢れだした涙に苦しくて。




たかがキスって・・・。
やっぱり、レオにとってあのキスも意味はなかったの?


ドキドキして、胸がいっぱいになって・・・・。
幸せだったのは、私だけだったの?




レオにとってキスなんて、特別なものじゃなかったんだ。





< 397 / 616 >

この作品をシェア

pagetop