男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「でてって!レオの顔見たくない!」
本当は逃げ出したいけど。
今の私じゃ走ってなんていけないし。
だから、布団を頭からかぶって縮こまった。
「・・・ユキ」
「触らないで!」
布団越しにレオが振れたのがわかると、私はそう言って叫んだ。
しばらくすると、レオの気配が消える。
本当に出て行ったみたいだ。
ホッと息を吐いた瞬間ポロポロと溢れだした涙に苦しくて。
たかがキスって・・・。
やっぱり、レオにとってあのキスも意味はなかったの?
ドキドキして、胸がいっぱいになって・・・・。
幸せだったのは、私だけだったの?
レオにとってキスなんて、特別なものじゃなかったんだ。