男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「別にレオは、私の王子さまじゃないよ・・・」
「ケンカでもしたわけ?てか、なんでそれで俺んとこくんのよ」
それもそうだ。
なんでカイのところに来たんだろう。
元はと言えば、カイのせいなのに。
「カイのせいだから責任取ってもらおうと思って」
想ってもないことを口にすれば、カイはおかしそうに笑った。
カイって、こんな風に笑うんだ。
そう言えば、カイの笑顔なんて意地悪な笑顔しか覚えてないや。
なんか、変なの。
「なんか、やだな。自分の中で、あの時の人と今のカイがシンクロしないの。だから、こんな風に会えるのかな」
「口説いてるの?」
「ち、違うから!」
レオにわかってもらいたいと思うのは、カイのこういう所を知ってしまったからだよね。
「頬、腫れたね」
「あー、手加減しらねぇんだぜ。あいつ」
「人を殴ったことなんてないんだと思う」
あんな風に、人に対してムキになって怒ったのなんて、初めて見た。
人になんて無関心だったレオなのに。