男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「・・・聴取、どうだったの」
「荒れてたねー、王子様。感情的になっちゃってさ、おかしいの」
やっぱり、許せないよね。
せっかく覚悟を決めて任務を果たそうとして向かっていたのに、邪魔されたんだもん。
そのせいで、レオだって今辛い立場にある。
「ほんと、つくづく思ってたの違って、調子狂う」
吐き捨てるようにそう言うと、カイは頭を抱えて蹲った。
淡々としてほしかったんだろうな。
感情的になっている姿を見たくなかったんだろう。
「レオは、変ったの。前は、笑わなくて口が悪くて、必要以上に喋らなかった。他人に興味がなくて、それだけじゃない自分にだって・・・。いつ死んでもいいって、命も諦めて・・・」
「・・・うそ」
「本当。レオは、生まれた時から特別だった。それをカイは恵まれてるって思うのかもしれない。王子さまとして生まれて、確かになに不自由ない暮らしだったかも・・・。でも、だからって幸せとは限らない」
レオは、幸せだったのかな。
幸せだと思って生きていたなら、あんなレオにはならなかった。
きっと、それが答えだよね?
「レッドアイを持つ千年に一人の逸材だともてはやされて、でも、そのことで父親である王さまに嫌われて・・・。愛してもらえなかったんだよ」