男装騎士~あなたの笑顔護ります~
無償の愛をくれるはずの親に、見捨てられた。
唯一の心のよりどころだったはずのお母さんも、自分のせいで亡くなってしまった。
「父親に見捨てられて、望んでもいない紅い目で。そのせいで魔物に命を狙われて・・・。ねぇ、カイはそれでもレオが羨ましい?羨ましくて、憎らしくてたまらない?」
格子を握りしめ、できるだけ近寄ると訴えかけるように話す。
こんな事話してなんになるのか。
「それでもレオは、前を向こうって。自分にしかできないことなら、皆のために命を張って立ち向かおうって・・・頑張ってるんだよ」
「・・・」
「カイは、そんなレオの邪魔をしたの。レオの想いを踏みにじったんだよ」
悔しくて。
苦しくて。
もどかしくて。
カイを責めたいわけじゃない。
「私が・・・、レオの足を引っ張ったんだっ・・・」
願わなければよかった。
心の中で、少しでも過ぎってしまったから。
助けてって。
「私の弱さが・・・レオを苦しめた・・・」
それが一番、辛い。