男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「泣くな・・・、お前の涙は心が乱れるから苦手だ」
「泣きたくて泣いてるわけじゃない。もう、泣かないよ」
「そうしてくれ」
強くなろう。
もっと、強くなって。
レオの足を引っ張らないように。
「・・・正直に話す。今回の事。ちゃんと、証言でも何でもする」
「カイ・・・」
「もっと早く・・・知っていればよかった。あんたたちの事。そうすれば・・・、俺はこっち側にはいなかったかもしれないのにな」
カイはそう言って切なく笑った。
運命・・・そんな言葉で片付けられたらどれ程いいのか。
たら、れば、なんて後からいくらでも出てくることで。
そんな事、絶対にありえないのだから。
「私も、こんな風に出会いたくなかった」
普通に出会えていれば、もっと違う気持ちで話せたのに。
「俺の目で、あいつの事ちゃんと見てみるよ」
「うん。怒ってても、ちゃんと向き合ってあげてね」
「殺されても当然だと思ってる。証言はちゃんとするけど、その後死罪も覚悟してる。俺はそれだけの事をした」
「・・・レオはそんなことしないよ」
「そんなの、わからないだろ」
そんな事、させたくないよ。