男装騎士~あなたの笑顔護ります~
それから何件も、何件も、話して回った。
「王子は、国民の事を本当に想っています」
「だったら、なぜ、裏切るようなことをしたんだ!」
「それには、事情があって、今はお答えできませんが必ず明らかにします!理由もなく、王子は裏切ったりしません。それに、裏切ったわけではないです。必ず、また任務を遂行します!」
街の人たちは、不安でいっぱいで。
その不安に、不満を募らせていっていた。
「私のせいなんです。王子が、救ってくれたのは私なんです。ですから、私の口から皆様にお詫びを・・・」
「帰ってちょうだい」
最後まで話を聞いてくれる人ばかりじゃなかった。
罵声を浴びせられたり、物を投げつけられたり。
「私のような一騎士でも大切にしてくださる王子だからこそ、国民の皆さんのために戦う決心をつけられたんです!ですから、お願いします。王子を信じてください!」
頭を地面に擦り付けてでも謝って。
わかってもらって、信じてもらいたい。
私にできることなんて、こんなことくらいしかない。
「お願いします!」