男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「いい加減にしろって言っているだろう!」
おじさんの投げた煙草のライターが頬を霞める。
頬に擦り傷ができ、血が流れた。
それを見たおじさんは少し怯んで気まずそうに目をそらした。
私はライターを拾いおじさんに手渡しながら。
「明日、また来ます。本当にすみませんでした」
そう言って頭を下げた。
優しい声をかけてくれる人もいる。
「信じてるよ」
そう言って笑ってくれる人も。
でも、そんな人だって不安に決まってる。
それでも、そうやって笑ってくれるんだ。
頑張らなきゃ。
私は気合を入れて頬の血を拭うと次に向かった。