男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「レオさまが、無理に笑ってるなんか誰が言ったんだ?」
「・・・わかるよ。だって、今まであんなに笑うレオを見たことない。・・・無理させてるのわかってるよ」
「違う風には考えられないか?」
ノアが、眉を下げ私の顔を覗き込む。
違う風に?
「お前といることで、笑えるようになった。そんな風には考えられないか?」
「私と・・・。そんなこと、あるわけないよ。レオは、私の事に責任を感じてるだけだもん」
私だって、あの時のキスとか言葉とか・・・レオの本心だって信じたいけど。
でも、怖い・・・。
レオは今、私の事怒ってる。
カイの事を庇おうとしてる私の事・・・。
突っ走って、冷たく突き放されるのが怖い。
だったら、今までみたいに王子と王子を護る騎士でいい。
「それに、私・・・強くなるって決めたから」
「ユキ?」
「私、元気になったから。もう安心してね」
私はそう言うと、自分の部屋にさっさと入った。