男装騎士~あなたの笑顔護ります~
あの女の人は、シュリさんというらしい。
シュリさんに傷の手当てをしてもらって私は一度城へと戻った。
重い身体を引きずるようにして戻る。
訓練し直さなきゃ。
早く、身体を戻さなきゃ。
「あ・・・」
塔にはいると、地下から上がってきたレオの姿が見えた。
レオは私を見ると一瞬だけ目を見開くが、すぐに目をそらし私の横を通り過ぎていく。
声も、かけてくれないんだ・・・。
ズキンと胸が痛み、私はしばらくそこから動けなかった。
「痛いな・・・」
傷ついた身体も、心も・・・。
痛くて苦しい。
でも、泣くもんか。