男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「今日の成果はどうですか?」
「え?ああ、まぁぼちぼちってとこかな?でも、仕方ないよ。魔物の被害が出てるんだから、納得できない気持ちはわかる」
被害の事を知らなかったから、話せばわかってくれるって思ってたけど。
それだけじゃダメだってわかった。
一刻も早く、魔物との件を決着をつけなければ。
国の人たちを魔物の被害から守らなくちゃ。
「いつも、騎士さまだけが来てくださいますけど・・・、騎士さまは他のお仕事はないんですか?」
「あ・・・、ああ・・・、今、俺は戦力外扱いなんだ。だから、時間に余裕があって」
「そうなんですか?こんなにお強いのに戦力外・・・」
シュリさんは驚いたように声を上げた。
騎士の姿に戻っても、私に仕事の声はかからない。
皆は慌ただしくしている中で、私だけ手持無沙汰だ。
だから、逃げるようにして城下に来てる。
自分にできることをしたいから。
私には今これしかできないから。
「私、お城の人の事信用できません。でも、騎士さまのことだけは、信じられます。今までずっと騎士さまの事見てきましたから。だから、騎士さまが信じておられるレオさまの事も、信じます」
「シュリさん・・・」
シュリさんの優しい笑顔に救われる思いだった。