男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「あの、シュリさん・・・。その騎士さまって、なんか照れ臭いから名前で呼んでください」
「はい。・・・ユキさま」
「その様も・・・」
「いえ、ユキ様は私の命の恩人ですから」
きっぱりとそう言われ、私は黙り込んだ。
命の恩人・・・。
「でも、ユキさまとこうして女の子同士のお話ができてうれしいです」
「あ、私も!」
「また、お話してくださいね」
「もちろん」
女の子と話なんて本当にいつ以来だろう。
懐かしいな、友だちと他愛ない話で盛り上がったり、恋バナをしたり。
学校ではよくしていたのに。
「あまり、無理はしないでください。我々も、自分たちでも戦いますから」
「・・・ありがとう」
護りたいものが増えた。
だから、強くならなきゃ。
もう、泣かなくてもいいように。
誰も、傷つかずに済むように。