男装騎士~あなたの笑顔護ります~
第9章
王位
私がしたことが、少しでもレオの力になっているといいな・・・。
「ユキ!」
城下から帰ってきたフランが駆け寄ってくる。
私は手を振って迎えた。
あれから、城下の見回りを交代で行っている。
国民を危険な目にあわせないために。
そのためには、これ以上王さまに好き勝手はさせない。
自分の私欲のために、国民を犠牲にする王さまにこれ以上この国を任せてはおけない。
そのために、レオは今頑張っている。
証拠集めや、王位剥奪のための書類の準備。
レオには私たちしかいないから、なかなか円滑には進まない。
それでも。
「おかえり、フラン。どうだった?」
「今日はまだ魔物は現れてない。国民のみんなの不安も少しは軽くなってるみたい」
「よかった」
私たちは立ち止まることはできないんだ。