男装騎士~あなたの笑顔護ります~



どれくらいの魔物を倒したんだろう。
全てが終わった時には、誰もがボロボロで息も絶え絶え。


たってはいられないほどだった。





「・・・っ、すまない。すまない・・・!俺のせいでっ、俺のためにっ・・・!」




そんな私たちを見て、カイは涙を流しながら地面におでこをこすり付けるようにして叫んだ。
きっと今でも、それでもやっぱりカイの中で王族やそれに関わる人間への偏見は消えていなかったんだと思う。



長く植えついた想いをそう簡単に消せるものではないし。




でも、今、ようやく固く凍ったその思いが溶けた。




ようやく、心が、届いたんだね。





「生きてて、よかった」

「・・・っ」

「レオのため、だけじゃないよ。カイに生きててほしいって思ってる」




本当だよ。
言わば、カイだって被害者だと思うから。
私の中でも、ようやくカイの事許せそうな気がするから。




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