男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「・・・失礼します」
おずおずとレオの部屋に入ると、入れ違いにノアが出てきた。
「健闘を祈る」
ケラケラと笑いそう言って出て行ってしまった。
薄情者―!
さっきのノアの言葉で、レオがどれほど怒ってるのかと怖くなる。
傷の手当てもまだしていないというのに。
そこまで深くはなかったからもう血は止まってるけど。
「あの、レオ・・・?」
奥に進むと、レオは椅子に座って待っていた。
こ、怖い。
「えと、あの。でも、カイを死なせないためには必要な無茶というか。だって私は騎士としてここにいるわけで・・・」
見苦しい言い訳を・・・。
だってレオったら、さっきから一言も発さず、こちらも見てくれないし。
仕事を遂行してどうして怒られないといけないわけ?