男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「俺は、いつもお前を護れない」
「え?」
「自分の立場を、これほどもどかしいと思うことはない」
王子という立場。
そのどこが、もどかしいというのだろう。
レオはこれから王となって、この国を創っていくというのに。
もどかしいことなんて、一つもない。
「この俺が、この手で・・・お前を護りたいと思うのに」
「・・・っ」
「逃げ出さぬよう、お前を繋いでおけたらいいのに」
そう紡がれた言葉が。
甘く。
戸惑いのままに唇を塞がれた。
「どうしたら、お前に伝わる?」
「れ、お・・・」
「どうすれば、お前が手に入るのだ」
泣き出しそうな声。
なにを求めているのだろう。
ダメだよ、レオ。
勘違いしてしまいそうになるから。