男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「ユキ?」
「私も男に生まれたかったな」
そうすれば。
こんな思いも。
「そうすれば、なにも迷わず騎士としてレオを護れたのに」
そうすれば、きっと、離れることもなかったのに。
こんな覚悟、しなくてもよかった。
「もう寝ようかな。コーヒー飲んだの失敗しちゃった」
「ユキ・・・?」
「おやすみ、フラン。明日も頑張ってね」
フランが何か言いたげにしていたことも、気づかないふりをして。
弱い私は、逃げようとしてる。
気づいてしまった、私とレオの距離に。
私と、フランたちとの違いに。
でも今は。
まだそばにいさせて。