男装騎士~あなたの笑顔護ります~
「・・・お前は、どうあっても俺に守られる気はないんだな」
突き放してくれていい。
もう、思い残すことのないように。
「決めたことです」
貫き通したい。
きっと、そうしなければ後悔すると思うから。
レオの側にいなかったことを。
きっと人は私を大ばか者だと笑うだろう。
せっかく、好きな人と思いが通じ合ったのに。
それを無下にするなんて。
でも、私が欲しいのは自分の幸せじゃない。
私が欲しいのは、好きな人が笑って過ごせる未来だから。
好きな人の、笑顔だから。
「・・・わかった。お前も、それからカイも連れて行く」
レオはそう言い捨てると立ち上がり、その場を去った。
きっと怒っているんだろう。
もう、許してはくれないかもしれない。
最後まで言うことを聞かない私を。