男装騎士~あなたの笑顔護ります~
泣くもんかと堪えても涙は勝手に溢れてきて。
自分で決めたことなのに、どうしてこんなに体が震えるの。
弱い自分が嫌いだ。
この世界に来た意味を見つけたい。
それが、この騎士という仕事かもしれない。
だったら最後まで成し遂げたいって。
それがレオのためになる。
レオを護ることになるんだって。
レオは、一国の王子だから。
私なんかと立つ場所も、求められるものもなにもかも違う人だから。
レオの縁談の話を聞いて思ったの。
私の存在は、レオの足を引っ張るかもしれないと。
他の誰かを愛するレオは見たくない。