男装騎士~あなたの笑顔護ります~
いざ、神域へ
「ユキ、なにを考えてる?」
昼食後、ノアに引き止められ問い詰められた。
突然あんなことを言いだしたから心配してくれてるんだよね。
「だって、一人でここに残っとくのなんて嫌だもん。前だって、残れって言われて残ったらあんなことになったじゃない」
「でも、今はもう邪魔をする王さまはいない。何かあっても護ってくれる騎士はたくさんいるんだぞ」
「私、護られたいなんて思ってないよ。私は、護られるような人間じゃない。私は騎士なんだから。ノアだってわかってるでしょ」
はっきりとそう告げる。
迷わないために。
いくらでも虚勢を張ってやる。
「なんで騎士であることに拘る?王さまと想い合ってるんだろう?だったら」
「その思いが、レオの足かせになるとしても?」
「は?」
「もう決めたの。私は騎士としてレオの側にいるって。この任務だけは絶対にレオの側でやり遂げるって」
話を切り上げたくて強引にそう言い捨てると逃げ出すように飛び出した。
わかってくれなくていい。
私の弱い心を。