男装騎士~あなたの笑顔護ります~
呆気なく
私が、目を覚ましたのは見知らぬ部屋のベッドの上。
パチパチと何度か瞬きをして自分の状況を思い出す。
ああ、やっぱりここは現実だったのか。
そう感じたのは、取り出した左手の人差し指にはめられた指輪を見て。
ゆっくり体を起こすと、体中が痛い。
中でも、左の足首がズキズキと痛む。
そういえば、ノアとの手合せの時に痛めたんだった。
私、結局負けたんだ。
蹴りを入れられて、あっけなく吹き飛ばされた。
そのまま気絶するなんて、情けないや。
部屋を見渡すと、物の少ないベッドとアンティークな机と椅子だけの殺風景な部屋。
ここは、あの塔の中の一室なんだろうか。
ガチャ。
そんなことを考えていると扉が開かれた。